【Fractal Design Era ITX レビュー】アルミと木によって生み出された「上品」が魅力的

Fractal Design Era ITX アルミと木によって生み出された「上品」が魅力的 パソコン
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ゲーミングPCのイメージとは真逆のMacのような,「上品」なデザインが魅力的.

私が新たなPCのコンセプトとして定めた,「小型・静音・デザイン性」を実現するために,パーツ選定を行なった結果,Fractal Design Era ITX を選んだ.

Fractal Design Era ITX を知ったきっかけは,たまたま見かけたYoutubeの動画である.
とモヤシさんの「インテルのCPUは爆熱だと言う人がいます。私はそうは思いません。」という動画
動画冒頭で,デザイン重視のmini-iTX PCケースとして紹介されている.また,「安っぽさ」を回避するために色の吟味の様子が見受けられる.
この動画を見て私は,とモヤシさんのレビューを参考にしつつ,

Hidehiro
Hidehiro

Mac の隣に置いても違和感ないのでは?!
それに,「小型・静音・デザイン性」も実現できそう!!

と,思ったのでAmazonで購入した.

価格は2万2,000円.当時小学生の時に初めて自作PCを組んだ時のIntel CeleronのCPUよりも高い.もちろん,当時のPCケースは5000円だった.私からすると,めちゃくちゃ高いという感覚である.一般的なmini-iTXのPCケースの相場は1万円前後なので,比較すると倍の価格である.しかし,Fractal Design Era ITX には,その分だけの価値があるように感じた.特に,PCの筐体に木材を用いている物を見たことがないので,天面の木材のパーツに価値を感じた.さすがはスウェーデン生まれだ.

実際に組み立てながら「とても考えられた組み立てやすい(使いやすい)」と感じたので,レビューしていく.

Good points & Bad points

Good points

  • モダンなアルミと木材による外装デザイン
  • ネジを回さずに,側面パネルを開閉可能
  • フロントにUSB-C端子
  • 内部のパーツ配置が省スペースのために考え抜かれている

Bad points

  • 価格が高い
  • ATX電源と簡易水冷はトレード関係
  • 裏配線スペースがほぼ無い

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Fractal Design って何?

Fractal Design 社は,スウェーデンのコンピューターハードウェアメーカーです.

主な製品はPCケース・簡易水冷・電源装置・ファンです.
これらの全ての製品は,スウェーデンの本社でデザインされています

Fractal Design 社は,デザイン性を非常に重視しており,清潔感のあるスタイリッシュで洗練かつエレガントなデザインを持ち、機能性の高い北欧デザインをPCパーツに適応した製品を販売しています.
また,Fractal Design 社のデザインコンセプトは製品品質、機能性、価格的なコスト面を妥協せずに、さらにデザイン性の優れた製品を提供する事として定めています。

Hidehiro
Hidehiro

スウェーデン デザインと言えば,IKEAのイメージに近いのかなぁ??
コンセプトとして,デザイン性や機能性を重視しているから,高価なのは納得できるね!!

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Era ITX のサイズと外観レビュー

Fractal Design Era ITX 斜め正面画像

こちらが今回購入した,「Fractal Design Era ITX (2万2,000円)」. mini-iTX専用のPCケースです.
ケースの外側サイズ(L x W x H)は,325 x 166 x 310 mmです.80サイズの段ボール箱くらいの大きさです.正直,思ったよりも大きいです.60サイズの段ボールより少し大きいくらいをイメージしていたのですが,自作PCケースであることを考慮すると小さいです.組み立ててみると,その小ささを体験することになりました.

カラーは,今回購入したシルバーの他に,コバルト・カーボン・ゴールド・グレーの計5色展開で,Mac との相性が良さそうな,シルバーを購入.外装表面は,アルミをブラスト加工したようなザラザラとした手触りです.Macと比較すると,安っぽさはありますが,触らなければ気になりません.
シルバーの場合,画像だとグレーのような色になっていますが,本来はMac と同じようなシルバー色です.

天面のパネルはシルバーの場合は,木材とメッシュの2種類が付属しています.(シルバー及びグレー以外は強化ガラスとメッシュ)

Hidehiro
Hidehiro

天面のパネルの木材とアルミによる本物のシルバー感が上手くマッチしているね !!

Fractal Design Era ITX 正面端子解説画像
Fractal Design Era ITX 背面画像

前面は,電源スイッチやUSBが縦に並んでいます.USBの端子の色はUSB 3.0に対応していますが,青色ではなく黒色なので,統一感が高まっています.電源スイッチには,LEDが埋め込まれており白色に光ます.光量が控えめなので全体的に落ち着いた印象をキープしてくれています.
3.5mm ジャックは,昔のiPhoneなどに搭載されていたものと同じの4極端子なので,マイクとヘッドホンを1つの端子で接続できます.別々に端子が分かれたヘッドセットを利用する場合は.変換ケーブルが必要です.
MacをメインPCにしている私は,周辺機器がUSB-Cである事が多いので,USB-C端子がフロントパネルに搭載されている事が非常に重要です.この,Fractal Design Era ITX は,USB 3.1 Gen 2 Type-Cに対応しているので,SDSSDE30などの,SSDとの通信が高速なのでとてもGoodなポイントです.

背面は,I/Oパネルと拡張カードスロットが2スロット,AC電源.ファンつきの通気口があります.
mini-iTXなので,拡張カードスロットは2スロットしか必要ありません.グラボなどのカードを指す場合は,カバーガードとカバーを取り外してから取り付けてください.

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内装レビューと組み立て後

Fractal Design Era ITX 左サイドカバー外し直後画像

サイドカバーを外すと,ブラックで統一された金属製のステーの集合体が現れる.改めて実物を見てみると,非常にかっこいい.単純なブラックの塗装だけではなく,ステー表面がサンドブラスト加工が施されており,ザラザラ感がある.これが高級感を醸し出している.内装まで,見た目の質感が高いとは流石です.

左側の縦のステーは2.5インチは2台,3.5インチは1台まで取り付け可能なストレージ用です.
筆者はM.2 SSDを使用するので,組み立て時に取り外したままです.動画編集などで,大量のデータを保存するためにHDDを搭載する必要がある方は,この場所に取り付けるのが一番良いと思います.

右上側のゾーンは,電源装置を取り付ける空間となっており,ATX電源かSFX電源かSFX-L電源を取り付けることが可能である.電源の取り付け高さを変更可能であり,複数のネジが切られた取り付け穴が用意されており,それぞれのパーツ構成に柔軟に対応可能なように,工夫がされている.なお,SFX電源を選択した場合には,電源横に3.5インチストレージを取り付け可能だが,排熱や配線の取り回しのために開けておいた方が良いだろうと考える.

Fractal Design Era ITX 左サイドカバー及びステー外し画像

ストレージ用ステーと電源ステーと80mmファンを取り外し,マザーボードを取り付けるとこのようになる.組み立て時は,取扱説明書の手順通りに組み立てないと組み立てられない.特に,I/Oパネルがマザーボード側にあらかじめ取り付けられている場合には,電源ケーブルが干渉して入らない.つまり,組み立ての難易度が少し高いPCケースと思われる.

Fractal Design Era ITX 電源・電源LED・オーディオ端子画像
フロントポート用USB 3.1 Gen 2 Type-C・USB 3.0, 3.5 mm端子画像

フロントのI/Oコネクタケーブルの端子は右から,電源LED・電源スイッチ・音声・USB 3.1 Gen 2 Type-C・USB 3.0である.ケーブルの長さはiTX-mini専用設計なので無駄に長くなく,丁度いい適切な長さである.こだわりを感じるのは,USB 3.0のコネクタの色が青色ではなく,黒色であるという所.それゆえに,音声のコネクタ部分のカラフルさが目立ってしまうので,黒いテープで被せると良いだろう.

Fractal Design Era ITX パーツ取り付け後画像

配線の取り回しに苦労したが,パーツを全て取り付けた.
このギッシリ詰まっている感が良い.
特に苦労したのが,グラフィックボードの8pin電源である.取り付けた,DUAL-RTX3060TI-O8G-MINI-V2 は,2連ファン構成のために,ファンの径が大きい.そのため,ファンの径を確保するために,他のグラと比較して「平べったい」ため,電源端子がカバーに干渉してしまう.タイラップでなんとか上手く曲げて取り付けたが,このFractal Design Era ITX にはDUAL-RTX3060TI-O8G-MINI-V2 は向かないグラボである.

Mac と並べてみて

Fractal Design Era ITXとMacを並べた画像

狙い通りに.シルバーによる統一感が実現されている.
電源ボタンのLEDの輝度も品があり,上手く調和されている.

Mac の隣にいても,違和感のないデザイン性の高さが証明された

Hidehiro
Hidehiro

欧州デザインとカルフォルニアデザインがマッチするとは...

注意点

電源はSFX一択

Fractal Design Era ITX SFX電源取り付け後の画像

Fractal Design Era ITX は,ATX電源・SFX電源・SFX-L電源に対応している.しかし,グラフィックボードの搭載と簡易水冷の搭載を両立させるためには,スペースの関係で,SFX電源を選択することになる.また,写真のにあるように,大量のケーブルの配線スペースの確保のためにも,なるべくSFX電源を選択することをおすすめする.

電源装置のAC電源用コネクタの向きにも注意が必要だ.
ケース内部にAC電源を延長するためのケーブルがあるのだが,そのケーブルの電源装置側の端子形状が,省スペース化のためにL字であり,ケーブルを逃す方向が定まっている.それにより,電源装置の取り付け方法が定まる.今回搭載した,Cooler Master MPY-7501-SFHAGV-JP はファンが内向き(3.5インチベイ側)になるように取り付けることになった.エアフロー的に,ケースフロント側にファンが来た方が良いと思う方は,他の電源を選ぶ必要があるため,注意が必要だ.

簡易水冷

Fractal Design Era ITX 簡易水冷ラジエータ取り付け後画像

天面の木製パネルとその土台を取り外し,簡易水冷のラジエータを取り付けた.取り付けてみると,かなりギリギリである.冷却用のチューブがI/Oパネルと干渉するため,なるべくラジエータをフロント側に寄せて取り付けるなどの工夫も必要である.
CPUのTDPが低い場合は,1ファンの簡易水冷を選択する方が良いだろう.

排熱にも若干の課題があり,木製パネルと簡易水冷の組み合わせは熱が溜まりやすくなってしまう.サーマルスロットリングが発生するほどでは無いが,なるべく冷やしたい人は,メッシュの天板を取り付けることをおすすめする.

まとめ コンセプトを実現できたか?

私が新たなPCのコンセプトとして定めた,「小型・静音・デザイン性」を実現するには,PCケースの選択が大きな影響を与える.

結果として,ケース単体での評価は「おおむねコンセプト通りに実現できている」である.

小型の観点では,自作PCの中ではかなり小型な部類に入ると思うので,満足している.

静音の観点では,エアフローが若干悪い上,電源装置がケース内の空気を吸うので冷やしきれずに,電源装置のファンが高回転になる傾向にある.そのため,3Dゲーム時などにはファンの音が気になる.よって,少々評価を下げている.

デザイン性の観点では,非常に満足している.何より,「自作PC感が無い」のが非常に好ましい.個人的に,ゲーミングPCのLEDを用いた光による装飾は好みではないため.素材によって「上品」を表現している,Fractal Design Era ITX は素晴らしいと思う.

最後に,mini-iTX のPCケースを探している人は,是非今回紹介した,Fractal Design Era ITX を選択肢の中に入れて欲しい.少々価格が高いが,PCパーツの中で最も触れる機会の多いパーツなので,ここにお金をかける事は悪く無い事だと思う.また,PCケースはCPUのように性能が低下することはなく,使い回しが可能である.長年使うことを想定すれば,買い直すよりもお得ため,心からおすすめする.

Hidehiro
Hidehiro

小型な自作PCを組みたい人にオススメです!!

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