どうもHidehiroです.
高専・大学に入学すると,某感染症の影響で,オンライン講義が一般的となった影響もあり,講義はiPadでノートを取りながら,レポート作成や課題はそのまま自宅のPCで行うことが多いと思います.そうなると,ノートPCにこだわらなくてもいいと私は思います.
そこで今日は,高専・大学生向けのデスクトップ自作PC の構成について考えてみます.
世の中で自作PCを行う人々の大半は,PCゲームをやる人だと勝手に思っています.
しかし,自分はPCゲームをあまりやりませんし,PS4でバトオペ2をやる事で十分満足しています.
では,市販のノートPCや小型デスクトップPCで良いではないか?と思われますが,
軽い画像編集やコンパイルなんかをやっていると,ファンの音がうるさくてたまらないんですよね.
そこで,コンセプトとして「PCゲームはやらないから,とにかく
- 静音
- 小型
- 安定
なPCを作りたい!」を設定し,これを満たす構成を考えてみます.
静音・安定・小型を実現するための手段
静音について
PC本体から発せられる騒音は,以下の三つです.
- 冷却ファンの音
- HDDの回転音
- ビープスピーカ音
HDDの回転音は,全てのストレージをSSD化する事で打ち消す事ができます.
ビープスピーカ音に関しては,配線内に抵抗を入れることで対処します.
一番の問題は,冷却ファンの音です.
一般的には,ファンの大きさや質(価格)が上がるほど,静音性が高まります.
また,CPU冷却を簡易水冷や水冷化することで,温度の急速な変化を抑えることが可能となり,ファンの回転数が高速になる機会を少なくする事ができ,結果として静音化につながります.
よって,今回の自作PCでは,CPUクーラーは簡易水冷・ケースファンは静音なものへ交換します.
安定について
私が考える「安定したPC」の条件は以下の3つです.
- ファンの回転数が頻繁に上下しない
- ブルースクリーンにならない
- USBなどの周辺機器との接続にバグが無い
ファンの回転数が頻繁に上下しない事については,静音性に加えて,PCが明らかに「頑張っている」事がわかる事があまり好きではないという理由もあります.わかりすく言えば,PCに気を使いながら作業を行いたくないと考えています.また,自分の作業くらい余裕でこなせるくらいの余力があることが,安定していると感じます.その結果,精神衛生上よいPCと感じ,満足すると考えています.
ブルースクリーンにならない・USBなどの周辺機器との接続にバグが無いについては,現在使用しているDell のInspiron 7373 で頻繁にこれらの現象が発生しており,ストレスでしかないために理由として挙げています.普通のPCならばこんな事は発生しないはずなのですが,Dellは昔からなぜかこの現象が発生するようです.
CPUの選択肢として,AMD のRyzenも良いのですが,USBの接続製に難がある事が報告されており,自分にとっては致命的なので,Intel系のCPUというより,チップセットを信頼してIntel製CPUを採用します.
以上の条件と理由から,CPUはIntel製を採用します.
小型について
自作PCは基本的に,互換性を確保するためにPCケースやマザーボードが大型なものになってしまいます.しかし,中身がスカスカの自作PCケースほど一人暮らしのワンルームや寮で邪魔になるものはありません.そこで,自作PCの中でもなるべく小型なものにしたいと思います.
「大は小を兼ねる」とは言いますが,ゲーミングノートPCなどを見ていただければわかるように,非常に小さい筐体の中に冷却装置も収まっています.素晴らしいです.
では,ゲーミングノートPCを買えばいいでは無いかと思うかもしれませんが,ゲーミングノートPCのようなノートPCにしては巨大で重いPCを持ち歩きたいとは思いません.
また,性能に関しても価格に対してそこまで高いものではなくコスパが悪いです.加えて,冷却が追いつかず,サーマルスロットリングが発生することもあります.さらに,「キーボードが打ちにくい」という重大な欠点を有しています.なぜ打ちにくいかというと,キーボードの下に巨大なクーラ等が入っているとにより,机とキーボードの間の距離が広がってしまっているために,手首の角度が垂直上方向に上がってしまいます.これが打ちにくさの原因です.
以上の理由から,ゲーミングノートPCは選択せずに,なるべく小型な自作PCを組みます.
そのために,自作PCケースは Fractal Design Era ITX を選択します.
小型・安定・静音な自作PCの構成一覧
構成一覧表と価格
実際に小型・安定・静音な自作PCの構成を考えました.
No | 品名 | 商品名 | 型番 | 価格 |
1 | CPU | Intel Corei7 12700K | BX8071512700K/A | ¥49,591 |
2 | マザーボード | ROG STRIX B660-I GAMING WIFI | ROG STRIX B660-I GAMING WIFI | ¥28,263 |
3 | メモリ | ADATA DDR5 PC5-38400 16GB×2枚 | AD5U480016G-DTA | ¥34,798 |
4 | SSD | Crucial P5 Plus 1TB SSD | CT1000P5PSSD8JP | ¥16,800 |
5 | CPUクーラ | Fractal Design Celsius S24 | FD-WCU-CELSIUS-S24-BK | ¥17,536 |
6 | PCケース | Fractal Design Era ITX | FD-CA-ERA-ITX-SI CS7489 | ¥22,649 |
7 | 電源 | Cooler Master V SFX Gold 850W | MPY-8501-SFHAGV-JP PS954 | ¥15,690 |
8 | OS | Microsoft Windows 10 Home | Microsoft Windows 10 Home | ¥17,397 |
合計金額 ¥202,724….
グラフィックボード・モニター・キーボード・マウス等を計上していないので,実際の使い始め価格は30万前後になりそうですね…
高いか安いかで考えると,私は安いと思います.
なぜなら,先日発売された,Mac Studioが約30万(周辺機器なし)ですし,ThinkPad X1 Carbonで似たような構成にすると,22万円なのでコスパは良いと思います.
また,選択したPCパーツのグレードをもう少し落としてみると,-5万円くらいにはなりそうです.特に,CPUをCorei 5にして,メモリも16GBを一枚にすればとりあえず動く段階までは作成可能です.
パーツの選定理由
CPU
PCゲームをしないので,グラフィックボード無しでも動く必要があります.
そこで,4Kモニターやデュアルディスプレイにも余裕を持って対応可能なインテル® UHD グラフィックス 770を搭載した,i7-12700Kにしました.
Corei 7の選定理由としては,CADやKiCADのレンダリングやコンパイル時間の短縮を考慮したためです.
K付きの理由としては,リセールバリューが高い事とオーバークロック耐性が高い事が安定性につながると考えているからです.(価格もあまり変わらない)
マザーボード
LGA 1700系のマザーボードでMini-ITXサイズはなかなか少ないです.
また,Fractal Design Era ITXのフロント I/Oには,USB-Cコネクタが搭載されているため,1 x USB 3.2 Gen 2 connector (supports USB Type-C®) 端子が搭載したROG STRIX B660-I GAMING WIFIしかほぼ,選択肢がありません.
メモリ
メモリは簡易水冷のヘッドから出されるホースとの干渉を考慮して,できる限り背の低く&薄いものを選びました.ADATA DDR5 PC5-38400 16GB×2枚
SSD
ROG STRIX B660のストレージスロットは,M.2_1 slot (Key M), type 2260/2280 (supports PCIe 4.0 x4 mode)に対応しているので,PCIe Gen4に対応したSSDでなるべく安価なものを選びました.
PCケース&CPUクーラ
コンセプトの「小型」・「静音」を実現するために,互換性も考慮した結果,メーカを合わせました.
電源
Fractal Design Era ITXはATXサイズの電源にも対応しているのですが,簡易水冷を搭載するにはSFXサイズの電源である必要があります.さらに,割と消費電力の高いCPUを使う&静音性のために余裕のある750Wの電源にしました.
まとめ
今回は,コンセプト:「PCゲームはやらないから,とにかく静音・小型・安定なPCを!」を設定し,これを満たす構成を考えてみました.
小型・静音を実現するため,相当高級なパーツを選択することになり,20万円と高額な自作PCとなってしまいましたが,実際に使ってみると,良さを体験できるのではないかなと思います.
ちなみに,実際に組み立てるとこんな感じになりました.
では….